今回は、世界で3000万部以上売れている名著『7つの習慣』の漫画版の書評をしていきます。
本書を読んで、7つの習慣が爆発的に売れた理由がなんとなく分かりました。結構自分に対して厳しい見方をしなければいけないことも多いのですが、私たちが普段見落としがちな「視点」を提供してくれます。また、習慣にすべきことを「7つ」に絞っている点も非常に分かりやすいと思います。
この見落としやすい視点と、項目を絞った分かりやすさが世界で注目された理由かなと思います。
では、この本の魅力をもう少し詳しくお伝えしていきますね。
✔ 自分の夢を実現させたい。
✔ 行動力を身に付けたい。
✔ 傾聴する力を身に付けたい。
✔ 「7つの習慣」の要点をさくっと知りたい。
本書の基本情報

基本情報
タイトル:『まんがでわかる 7つの習慣』
監修:フランクリン・コヴィー・ジャパン
まんが:小山鹿梨子
原作者:スティーブン・R・コヴィー
出版社:宝島社
価格:本体1,000円+税
ページ数:175p
ISBN:978-4-8002-1531-4
あらすじ(表紙の切り返し)
バーテンダーを目指して修業を始めた歩。
引用元:『まんがでわかる 7つの習慣』表紙折り返しより
バー「セブン」での様々な出会いを通して、彼女は少しずつ”本物”への階段を上っていく。
歩の生き方、考え方を少しずつ変えたのは、「7つの習慣」だった――。
おすすめポイント

要点がまとまっており、内容をストーリーで理解できる。
各チャプターごとに、第1の習慣~第7の習慣を取り上げ、ストーリーに組み込まれています。ストーリーの中で説明が不十分な点については、各チャプターの最後に要点を綺麗にまとめておられます。
物語で学ぶというのは、頭に残りやすくていいですね。しかも漫画なので抵抗感なくさらっと読める人がいいのではないでしょうか。1時間もあれば読めると思います。
7つの習慣とは…(イントロダクションも含めると8項目あります)
- 問題の見方を「インサイド・アウト」に変える。
- 主体的である。
- 終わりを思い描くことから始める。
- 最優先事項を優先する。
- Win-Winを考える。
- まず理解に徹し、そして理解される。
- シナジーを創り出す。
- 刃を研ぐ。
というものです。
➀で問題の見方を変え、②~④で行動の原則を学び、⑤~⑦で傾聴的な姿勢で他者と関わる方法を学ぶという流れです。⑧では各習慣のブラッシュアップと自己研鑽の大切さについて述べられていました。
この本を読むと、もっと行動しなきゃ、他者と関わるときはもっと傾聴的にならないと、と思わせてくれます。そういう意味では、やはり力のある本なのだなと思います。
何事も”自分の視点”で物事を見ていることに気付ける。
全てのチャプターを通して、”自分の視点だけで物事をみてはいけない”ということが書かれている点に関しては非常に好感を持てました。
原作からこの箇所が引用されていました。とても重要なものの見方なので紹介しますね。
私たちは、世界をあるがままに見ているのではなく、私たちのあるがままの世界を見ているのであり、自分自身が条件付けされた状態で世界を見ているのである。…相手と意見が合わないと、相手の方が間違っていると瞬間的に思う。
分かってはいるつもりでも、どうしても自分にとって都合の悪いことに出くわすと偏った判断や解釈をしてしまいがちなので、注意しておきたいですね。
このような見方を「インサイド・アウト」と呼んでいます。自分の外に原因を求めるのではなく、自分の内に機会を見出すという見方です。
これは自分に対して厳しい見方なので、なかなか身に付けるのは難しいかもしれません。なんでもかんでも「自己責任」にしてしまうのは自分を苦しめる原因にもなるので注意が必要ですが、自分の中にも外にも原因があるという、バランスの良いものの見方ができたらいいのではないかと個人的には思いました。
「傾聴」のヒントを得られる。
- 相手を理解しようとしない人は、自分のことを理解してもらえない。
- 「話す」より「聞くこと」から始めよう。
- 相手の目線で世界を見る。
- 言葉の「正しさ」で人は動かない
「傾聴」を行う上で重要なことがしっかりと盛り込まれていたなという印象を受けました。
傾聴を行うことで、互いに相手を尊敬することができ、それが相乗効果や妥協ではない「シナジー」を生み出していく。人と協力することで最大限の力が発揮できる、成果が生み出せる、とコヴィーは述べています。
お互いに好きになる(尊敬する)こと、これは行動の源泉にもなりますし、とても大事なことだと私も感じています。
Win-Winの関係を目指すことを重視されていますが、これに関しては半分納得できて、もう半分はうーん、という感じです。とても大事な事ではあるのですが、Winにばかり囚われると、「傾聴」しているようでできていない、という事態に陥ってしまう人が出てしまうのではないかという懸念を抱きました。
まとめ
「終わりを思い描く」「最優先事項を優先する」といった行動面に関しての記述は、ビジネス界隈ではよく耳にしますね。大事なことだとは思いますが、終わりを明確にしたり、優先順位をはっきりさせておくことは柔軟性を損なう面もあるということは理解しておく必要があると思います。
ただ、7つの習慣を本当に全て満たすように行動できるのであれば、非常に充実した人生を歩めるのではないかと思います。そういった意味では、バランス感覚を持った人が読むとよい本だと思いました(そういう人はすでに成功されているでしょうが…)。
まんがなのでとても読みやすいですし、ストーリーの中で学ぶことができるので、小難しい文章を読むのが苦手な方にはおすすめです。
また、自分本位なものの見方をしてしまっている人、傾聴的な態度がなかなかとれない人にもおすすめしたい本です。
本書を読んで、7つの習慣を生活の中で取り入れてみて下さい。少し、世界の見え方が変わり、充実度が増すかもしれませんよ?